サンケイ新聞連載
どっちにする? 2004年6月29日(第13回)
<ワーク>
お子さんに1~4の設問について、どちらか答えを聞いてください。
1. 朝、パンとごはん、どっちが食べたい?
2. 靴とサンダル、どっちを履く?
3. 夏休みは、海と山どっちに行きたい?
4. 新幹線と飛行機、どっちに乗りたい?
心を決めるワークです。
ですからこのワークでは、「どっちでもいい」や「わかんない」は却下。どちらかを選択するように言って下さい。
「どっちがいい?」と聞かれると、子どもは自分の心の中をのぞき込んで、答えを見つけようとします。
ふだんから「どっちにする?」と聞いて、子どもに選ばせてみましょう。いつも親がお仕着せで決めていると、子どもは考えずにすんでしまいます。なかなか心が決まらない子どもの場合、あせらず少しずつ心がけてはいかがですか?
友人は、子どもが小さい時から、朝食に何を食べるかなどささいなことも聞いて、自分で決めさせていました。自己主張をしないおとなしい子どもだったのですが、小学校の高学年くらいになると、自分で決める力がついたことに、親が気づいたそうです。
「じぶん表現力」は、まず「じぶん」が何を考えているか、何を伝えたいかをわかっていることがスタートです。
「どっちか?」と問われ続けることが、自分の気持ちを見つめる練習になるのです。
もちろん現実には、白黒つけられないことは多いです。それに、自分を強く出し過ぎることへの心配もあると思います。
それでも、自分が何を考えているか、わかっていることは、大切なことではないでしょうか。
これからの子どもたちは、「じぶん」の意思を持って、それを伝えていける表現力を持っていることが必要だと思うのです。
(JAMネットワーク 高取しづか)