ある日の朝。近所を散歩していると、ちょうど学校に行く
子どもを見送りしているお母さんを見かけました。
お母さんは門の前で仁王立ちになって、
「ほら、遅れちゃうわよ」「ハンカティッシュ持った?」
「そんなにのろのろ歩かない!」などの言葉をかけ続けていたのです。
お母さんは、子どもが失敗しないようにという「親心」でしょうが、
子どもの心境はどうでしょう。
下を向いてとぼとぼ歩いている子どもを見ていると、
朝は元気に送り出してあげてほしいと、痛切に思いました。
こういう親の言葉は、子どもの中に少しずつ
「自己像」として刷り込まれていきます。
「グズグズして行動が遅い」「あなたはダメな子」
と言われ続けた子どもは、自分をそういう人間だと
イメージするようになり、やがてそれが本当の姿になってしまうのです。
「頼りなくて見ていられないわ」と言われるのと、
「あなたには自分の考えがあるから、好きなようにやってごらん」
と言われるのとでは、どちらが自分の人生を切り拓く力を持てるでしょうか。
どうせなら、子どもの中に、自分へのいいイメージ=自己像を作ってあげませんか?